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2月25日 そうだよね。今日(きょう)は。。(2)



週の初めである月曜日はより一層慌ただしさが増す。
もちろん最たる美貌のあいつ女性専務とて同様でゆったりと席を温める暇などない。
スラリと伸びた魅惑の2本足で外へと出向き本日は現地での打ちあわせだ。
出るべきところが出た抜群のスタイルのあいつは今回も女性ばかりの
我が町工場から職人を連れ出す。
頑固な職人をなるべく客先へ連れて行くことにより関心を外へと向けさせる。
本来の指導者は紛れもなくお客様なのは書くまでもない。




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其れでは前回昨日の続きを。
前回の終りの部分を少々記載。



あいつはふと気が付く。あいつは遠くに何かの気配を感じる。
冬の地上付近で降りしきる雪を遮るがごとくに茫洋とした何かが現れたことに気付く。
遠くに今しがた現れたその何かはこちらへと近づいているようだ。
どうも人間であるのは間違いがない。
一歩一歩近づく何かは人間の姿であることには間違いがないようだ。
その姿はあいつの方へと近づく。
次第にあいつへと一歩一歩近づく。。。



其れでは続きをご堪能されてください   ませ。



当初は全く見当がつかなかったその姿は次第にあいつの瞳にはっきりと映し出される。
その姿があいつに近づくにつれ茫洋が明確へと変換される。
一定の速度である姿の歩みは近づくにつれ地面を交互に踏みしめる音色が
あいつの聴覚を次第に大きく刺激する。

背恰好はとても小さく右手には大きな傘の柄が握られている。
傘には真っ白な雪で覆われまるで積まれた雪そのものが歩んでいるかのようだ。
あいつはこちらへと向かうその姿の歩む姿に胸騒ぎがする。
近づくにつれ落ち着きは無くなり寒さ以外の震えがする。
目の前の光景を決して現実ではないと疑いながらも近づく姿を見つめる。
大きな傘にさえぎられその人物の顔形を眺めることが出来ない。
しかしあいつはその姿の仕草により既に自分ながらに結論を出していた。
だがその結論は今だあいつには信じることはできない。

その姿は小さな少年で下を向きぶつぶつ何かを呟きながらこちらへと向かっている。
とぼとぼと歩きながら決して顔を上げずにまるで地面と会話をしているかのようだ。

その仕草。動き。その歩き方。話し方。忘れるはずもない。
いや四六時中決して頭から離れたことがない。
思い返せばもうそんな年頃だ。即座に指折り数を数える。
あいつの胸は熱くなりこみ上げる。
あいつは周り構わず近づく姿の背の高さに合わせようと膝を折る。
向こうから近づく大きな傘の行く手をあいつは塞ぐ。
小さな少年はあいつの気配に気づいたのか顔をあげ立ち止まる。
表情は硬く口元の独り言の呟きは既になく可愛らしい目は大きく開けられあいつを見つめる。
あいつは目の前にいる我が息子の成長した姿をまざまざと眺める。
とめどもなくこみ上げるものにあいつには我慢が出来ない。
あいつの頬を伝わる涙がいつしか地面へと落ち少しの積雪を溶かす。
我が息子がぼんやりと佇んで見えるのはあいつのとめどもない涙の答えだ。

突然。息子が口を開く。大きな傘を抱えたままあいつへ話しかける。
「あんたがお母さんでしょう。まだ覚えているよ。」

あいつは頷く。

「どうして家に帰ってこないんだ。僕はずっと待っているんだ。」
「お父さんと妹と3人でいつも家で待っているんだ。ず~と待っているんだ。」
「どうして帰ってこないんだ。」

あいつはただ涙を流す。

「お父さんはちょっとしたら帰ってくると言うけど全然お母さんは帰って来ない。」
「妹と一緒にずっと待っているだから。」
「どうしてお母さんは帰って来ないんだ。」

「妹はね。お母さんの顔を忘れるかもしれないて言ってた。」
「僕もね。お母さんの顔忘れるかも知れない。」

「友達の家へ遊びに行くとどこでもお母さんがいた。」
「でもうちにはいないし。お母さんは全然帰ってこない。」

「本当はね。僕はね。悲しかったんだ。泣きたかったんだ。」
「友達のお母さんを見るとね。僕何故だか泣きたくなるんだ。」

「誰にも言わなくて隠しているんだけど本当はね。我慢しているんだ。」
「泣きたいのをいつも我慢しているんだ。」
「妹に見られたらかっこ悪いし。お父さんに心配かけたらいけないし。」

「でもお父さんがきっと今日は帰ってくるって言ってた。」
「でも今日はここに行けばお母さんに会えるし一緒に家まで帰ってくるって
お父さんが言っているんだよ。」


「お母さん。今日は一緒におうちへ帰るんだよね。」


あいつはひたすら流れゆく涙のせいだろうか。一切口を開かない。
しばらくあいつは目の前で必死に訴え掛けている小さな少年を見つめるだけだ。

しかし、あいつはとうとう口を開く。いよいよ涙声で優しく息子へ問い掛ける。

「なぜお父さんは今日は家へ帰ってくるって言っているのかな。」


少年はあいつの顔をまざまざと見つめながら答えた。




「だって、おうちにお母さんの誕生日ケーキを用意しているから。」。。。




それでは又です。


読破中。
「創造する経営者」P.F.ドラッカー著。


「アルジャーノンに花束を」ダニエル・キイス著


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2008.2.25by 博多の森と山ちゃん




by moritoyamachan | 2008-02-25 21:13 | この世にある考え
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